フィラジル®の成分であるイカチバントは、ブラジキニンと化学的に似た構造をもつように合成された薬物です。 イカチバントはブラジキニンと競い合ってブラジキニンB2受容体にくっつくことができます。そのため、フィラジル®を注射して体内にイカチバントを入れることで、ブラジキニンの働きを抑えることができます。
その結果、血管の内側から外側に血漿などの成分が漏れ出す状態から正常な血管の状態に戻り、腫れや痛みといったHAEの発作を改善します。

HAEの原因について

HAE患者さんはC1インヒビターがうまく働かず「ブラジキニン」が過剰に増えることで発作が起こります。
その様子をくわしく見てみましょう。

フィラジル®の作用について

HAEによる浮腫の直接的な原因であるブラジキニンと、 ブラジキニンの働きを抑えるフィラジル®の作用を見てみましょう。

効能又は効果

遺伝性血管性浮腫の急性発作

用法及び用量

通常、成人にはイカチバントとして1回30mgを皮下注射する。
通常、2歳以上の小児には体重に応じてイカチバントとして1回10~30mgを皮下注射する。
効果が不十分な場合又は症状が再発した場合は、6時間以上の間隔をおいて同用量を追加投与することができる。ただし、24時間あたりの投与回数は3回までとする。